FAQ
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事例1:新規立ち上げ工場における微生物トラブル

【ご依頼の動機】
 新規に立ち上げ予定の飲料工場で,ラインの最終チェック段階においてペットボトル数十万本に数本の割合で細菌の混入が見られる.原因菌の特定と,殺菌方法の検討を行いたい.

【弊社からのご提案】
 まず,DNA解析による検出菌の同定試験を優先して実施すべきと判断しました.また,工場内各所で徹底的なサンプリングを実施してもらい,ラインからの検出菌と同じ種類の菌が存在するかを確認.また,検出菌を用い,既存の殺菌条件に加え,いくつかの殺菌方法(殺菌料の提案)による試験を実施することをご提案致しました.

【結果】
 検出菌を同定したところ,様々な要素に強い耐性を持つ,珍しい種類の菌であることが判明しました.既存の殺菌方法では全く歯が立たないことが明らかとなり,様々な殺菌方法を検討したところ,効果的な方法をご提案することができました.
 工場立ち上げまでの期日が限られた中で試験をさせていただきましたが,何とか間に合わせることができました.その後同様のトラブルは報告されておらず,対策が効果的であったとの評価をいただきました.

事例2:製造環境中の空中浮遊菌の採取と同定および殺滅試験

【ご依頼の動機】
 製品への微生物の混入を回避したい.また,既存の殺菌方法は十分であるか判断したい.

【弊社からのご提案】
 これまでの事例から,製造現場での混入の可能性が最も高いと判断されたため,まずは製造現場各所の空中浮遊菌の調査をご提案致しました.採取された菌については菌数のカウントを実施すると同時に菌株の単離・同定を行なうことで,現場にどのような菌種がどのくらい存在しているかを把握することができます.また,検出菌のうち代表的なものを用いてBI(バイオロジカルインジケーター)を作成し,実際に製造ラインを通過させてその殺菌性の確認を併せて実施することをご提案させて頂きました.

【結果】
 空中浮遊菌から細菌・真菌ともに様々な種類が検出され,現場の衛生状態の改善にも繋がるデータとなりました.検出菌のうち,特に耐性の強いと思われる菌についてBIを作成し,既存のラインで確認したところ,複数の菌で殺菌が不十分であることが判明しました.このBIを用いて殺菌条件の検討を行ない,より安全な製造環境を構築するお手伝いができました.なお,検出菌の季節変動にも注目して同様の試験を再度実施する予定です.