鶏卵養鶏場の1/4でサルモネラ菌を検出

 社団法人「日本養鶏協会」が04年度に実施した全国調査によると,食中毒を引き起こす恐れがあるサルモネラ菌(Salmonella sp.)感染の初めての全国調査を行い,調査した204の養鶏場の4分の1にあたる54養鶏場からサルモネラ菌が検出されていたことが,同協会の非公表の報告書などから分かった.農林水産省は来年度から,食品の生産・流通現場での微生物汚染の調査を始める方針を決めた.

※朝日新聞2006年9月15日付より

サルモネラ菌による食中毒

 サルモネラ菌は家畜(ウシ,ニワトリなど)の消化器官に常在するグラム陰性通性嫌気性桿菌の一種で,細菌学会および国立感染症研究所が定めるバイオセーフティ分類では,6亜種が「レベル2」に,Salmonella enterica subsp. enterica serovar Paratyphi A(パラチフス菌)とSalmonella enterica subsp. enterica serovar Typhi(チフス菌)の2亜種が「レベル3」分類されています.様々な食中毒菌の中でも特に危険度の高い菌種のひとつに挙げられます.日本においては生の鶏卵を食べる習慣があるため,他国と比べてサルモネラ菌による感染症の発生率が高い傾向にあります.

日本細菌学会編 「バイオセーフティ指針」(2002)より